ドキュメント管理ツール「Notion」を全社導入!使ってみた感想・メリット・使い方をご紹介します【前編】
会社のナレッジ蓄積と共有を目的に、弊社ではドキュメント共有ツール「Notion」を導入しました。
これまで使ってきたツールから移行を進めたり、新しい活用方法を模索する中で、Notionの特徴やメリット、使い方を詳しくまとめましたので、プロジェクトの管理・運用にNotionの利用を検討している人はぜひチェックしてください!
※具体的なドキュメントの作成方法や、マークダウン・ショートカットの入力方法、データベースの活用方法については【後編】でご紹介します!
【Notionとは】"All in One"を実現するドキュメント・プロジェクトの一元管理ツール
Notionの特徴
Notionはノートやドキュメント化した情報を、整理されたナレッジ(知識)としてストックし、チーム内で共有するためのツールです。
料金は基本無料で使い始められますが、アップロードできるデータ量を増やしたい場合などに有料プランへの移行が必要になります。
同じようなガジェットが数あるなか、Notionが特別なのは、"All in One Workspace"をコンセプトとして掲げている点です。他の様々なサービス(Evernote、Googleドキュメント、Trello、Slackなど)の長所を取り入れつつ、より多くのシーンでフレキシブルに活用できるツールとなっています。
これまでは複数サービスで管理してきた情報をNotionに移行すれば、ツールのハブのように利用して一元的に情報をNotionに集めることも可能です。
Notionは、組織全体で「情報の整理」「情報の共有」「情報の検索・探索」がスムーズに行えるドキュメントツールとして、非常に便利な機能を多数実装しています。
どのようなアウトプットができるのか?
Notionの主な利用方法は下記の3つです。
【Notionの主な利用方法】
- チームWikiの作成
- プロジェクトとタスクの管理
- メモとドキュメントの作成
モノトーンのシンプルなUIデザインは非常に扱いやすく、後述しますがドキュメントの作成のしやすさにおいても大きなメリットとなっています。
各ドキュメント類には、ToDoリスト・画像・動画・URLリンク(Webページまたは他のドキュメント)・コードブロック・アップロードされたファイル(pdfなど)・作成者・作成日付・任意のタグやカテゴリ、など様々な情報を含めることができます。
さらにNotionではかんたんにデータベースの作成が可能で、表示(ビュー)の切替を行うだけで、下記のような情報を思うがままに作ることができます。
この点は、他のツールにはない独自性の高い特徴です。
【作成できるデータベース/ビュー】
- イベントカレンダー
- テーブル
- リスト
- Kanbanボード
- カードギャラリー
- タイムラインビュー
データベースの情報は、Notion内の他のデータベース、他のドキュメント、他のノートなどでリンクさせたり、引用したりすることができます。
つまり、チーム内で一意のデータベースをNotionに蓄積していき、相互に閲覧したり流用したりできるようにすれば、透明性の高い情報共有・データ管理が可能となるのです。
どのようなシーン利用が想定されるのか?
活用の範囲は、アウトプットの種類をもとに、自由度高く設定することができます。
Notionは、シンプルで使いやすいUIや、ドキュメントのカスタマイズ性の高さも特徴です。
デフォルトで100以上のテンプレートが用意されていることからも分かるように、使いようによっては無限の利用方法を編み出すことができるでしょう。
以下には利用例の一例を挙げてみました。
【利用シーン】
- 業務フローの作成
- タスクリストの作成
- プロジェクトの進捗管理
- 議事録の作成
- 参考サイトのまとめリスト作成
どのように共有するのか?
Notionでは、メンバー間でかんたんにドキュメントを共有したり、同時編集を行ったり、メンションで通知やコメントを送ったりすることが可能です。
なお、Notionでは、ドキュメント共有用の管理スペースを「ワークスペース」と呼び、個人用の管理スペースを「プライベート」と呼びます。
全てのドキュメント類は「ワークスペース」か「プライベート」で管理することになり、保存場所によって、誰がそのファイルにアクセスできるのか(ファイルに対してどのような権限を持つのか)が変わります。
それ以外にも、特定のメンバーや外部の人間に共有する場合には、個別に権限を与えるなど細かい設定を行うことも可能です。
Notionなら更新情報をワークスペース上でリアルタイムに共有できるので、情報の全体像をチーム全員で把握することが可能になり、メンバー間の情報格差を埋めるという意味でも有用なツールとなっています。
どのように整理・管理するのか?
Notionのドキュメント類は、階層構造で直観的にわかりやすく整理することが可能です。
「親ノート・親ドキュメント」に対して「サブノート・子ドキュメント」を設定して、ドキュメント類をツリー状にまとめておくことができます。
これにより検索性が高まり、欲しい情報を見つけるのに苦労しません。
もちろん別途で検索機能もあるため、ワードなどから該当のドキュメントを探すこともできます。
シンプルなシステムですが、Slackのようにフローで流れていってしまいがちな情報をまとめておいたり、Googleドライブで各所に点在しているドキュメントの検索性を高めたりするうえではこれだけあれば十分のように感じます。
Notionで具体的にできること
実際のプロジェクトにおいてどのようなジャンルで、どのような利用法があるかは、公式サイトから引用した下記情報を参照してみてください。
製品
- ロードマップを可視化
- 機能仕様をドキュメント化
- 部門の枠を超えて協力
エンジニアリング
- リリース予定を調整
- プロセスを体系化
- 高速なリリースを実現
人事
- 会社のルールを共有
- ナレッジを保管し活用
- 新入社員をオンボーディング
デザイン
- すべてのプロジェクトを管理
- ロゴ、フォント、アセットをカタログ化
- デザインシステムを公開
営業
- 使いやすいCRMを構築
- すべての議事録を整理
- チームにノウハウを共有
マーケティング
- スタイルガイドを作成
- コンテンツカレンダーの管理
- イベントを把握
Notionのメリット・得意なこと
ここまでの情報をメリットをおさらいしてまとめると下記の通りです。
- ナレッジの蓄積、ドキュメントの共有・管理ができる
- 上記により、組織全体に対して情報の透明性・公益性を高められる
- Evernote、Googleドキュメント、Trelllo、Slackのようなツールに散らばりがちなドキュメント類を統合してハブのように活用できる
- リアルタイムでの情報共有が可能なので、チームの共同作業や、外部との連携を円滑に遂行することができる
Notionのデメリット・苦手なこと
逆に、Notionのデメリット・苦手とすることは、下記の通りです。
- 自由度が高いゆえに、何に使ったらよいかわかりづらい
- 自由度が高いゆえに、何ができるか・どのようにやればいいかを、頭の中に落とし込むまでの時間がかかる
- 組織全体で「情報の整理」「情報の共有」「情報の検索・探索」がスムーズに行えるような多機能なツールは必要としていない
総じてメリットの裏返しになりますが、「ツールを使ってやりたいことが、狭い範囲に絞られていてかつ明確」という場合には、Notionのようなカスタマイズ性が高い多機能ツールを使うメリットはほとんどありません。
Notionだと、できることが多いだけに考える時間が必要になる面もあるため、一点集中のもっとシンプルなツールを探す方が良いケースも考えられます。
【Notionのサービス概要】料金体系・アプリ
Notionの料金体系
Notionの料金プランは「パーソナル」「パーソナルPro」「チーム」「エンタープライズ」の4種類があります。
個人用およびお試し用としては、無料で利用できる「パーソナル」プランがおすすめです。
さらに機能を追加したい場合は「パーソナルPro」、大人数のチームで共同で利用したい場合は「チーム」がよいでしょう。
【パーソナルの機能】
- ページ数とブロック数が無制限
- 5人のゲストとの共有
- デバイス間での同期
【パーソナルProの機能】
- 無制限のファイルアップロード
- 無制限のゲスト
- 30日間のバージョン履歴
【パーソナルProの機能】
- 無制限のチームメンバー
- 同時編集が可能
- 共有許可
- 管理者とメンバーに別々の権限を設定し、管理を強化しましょう。新規メンバーの招待およびワークスペースの設定変更は、管理者のみが実施できます。
- 管理者向け機能
【エンタープライズの機能】
- SAML SSO
- ユーザープロビジョニング(SCIM)
- 高度なセキュリティ設定
- 無制限のバージョン履歴
- 専任のサクセスマネージャー
- カスタム契約
金額は、「パーソナルPro」($4/月 年間契約、$5/月 月間契約)、「チーム」($8/月 年間契約、$10/月 月間契約)です。「エンタープライズ」は要問い合わせになるので公式サイトから確認しましょう。
Notionのアプリ
NotionにはPC(Windows,Mac)、スマホ(Android,iOS)用にそれぞれアプリが存在し、ダウンロードして利用することができます。ブラウザから利用することも可能です。
ただし、ネット上の評判などを見ると、スマホ版の利用は操作性がPCほど高くなく、使いづらいという声が聞こえます。
業務用でプロジェクトの管理など幅広い利用を考えている方は、PCメイン活用を考えるのが良さそうです。
※具体的な使い方として、ページの作成・データベースの作成・マークダウンの記法やショートカットについては【後編】でご紹介していきます。